当社グループは、サプライチェーン全体でサステナビリティを推進していくために、2014年度に当社の取引先に向けた「DOWAグループCSR調達ガイドライン」を策定し、社会情勢に応じた適宜改訂(現在、第1.6版)をしています。
このガイドラインは、当社の「CSR調達方針」ならびに「責任ある鉱物調達方針」に基づき、当社グループのCSR調達における基本的な考え方と行動規範を示し、取引先に対してサステナビリティ経営の推進についての理解およびガイドラインの遵守を要請しております。毎年のセルフチェックリストの配布時に配布するとともに、新規取引開始時にもガイドラインの遵守を促すことで、取引先へ周知しています。
なお、CSR調達に関連する方針はWebサイトを通じて公開しています。
- DOWAグループCSR調達ガイドライン (992KB)
(1)法令遵守・公正取引 |
(2)最適な品質と適正価格 |
(3)安定供給体制の構築 |
(4)サステナビリティ |
(5)情報の保護 |
(6)管理システム |
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1)人権・労働 |
2)安全衛生 |
3)環境保全 |
4)社会・地域貢献 |
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全般 |
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当社グループは、既存サプライヤーに対して「CSR調達ガイドライン」に基づいたセルフチェックリストを配布し、サプライヤーのサステナビリティ推進の仕組みや実態等取り組みを確認しています。このアンケートでは「法令遵守・公正取引」「最適な品質と適正価格」「安定供給体制の構築」「サステナビリティ(人権・労働、安全衛生、環境保全、社会・地域貢献)」「情報の保護」「管理システム」の観点にてサプライチェーンの課題を継続的に把握・評価しています。
セルフチェックリストに回答したお取引先にはフィードバックレポートを通じて、当社からの期待や改善の項目を伝え、サステナビリティの推進を要請しています。
2023年度は、主要サプライヤーおよび新規サプライヤーなど約220社にセルフチェックリストを配布し、約87%のサプライヤーより回答を回収しました。
当社グループでは、2015年度からセルフチェックアセスメントの結果等に基づき、環境面、社会面等における高リスクサプライヤーを確認し、必要に応じてCSR監査を実施しています。CSR監査では、当社のCSR活動及びCSR調達ガイドラインやサプライチェーンに関わる社会情勢をお取引先にお伝えするとともに、セルフチェックアセスメントに基づいたヒアリングを実施し、「人権・労働」「安全衛生」「環境保全」「社会・地域貢献」等を中心にサステナビリティへの取り組み状況や事業所の労働環境を確認します。
監査後には、監査協力をいただいたお取引先に報告書による監査結果のフィードバックをします。フィードバックでは、優れた点を評価するとともに改善すべき点を指摘し、必要に応じて是正を依頼します。なお、その是正についてお取引先で具体的な改善方法等が不明な場合は、ベストプラクティスの共有や対応指導等により改善をサポートをします。
2023年度はCSR監査を1件実施しました。指摘としては避難訓練の定期的な実施の記録などが挙がり、後日に改善を確認しています。
また、当社のCSR監査では、サステナビリティ部門と調達部門に加えて、お取引先の資材に関連する担当者も参加し、お取引先との信頼関係の強化と社内への当社のCSR調達活動のさらなる浸透を図っています。
DOWAグループは金属素材を扱う企業の社会的責任として、人権、環境、倫理などに配慮した責任ある鉱物調達に取り組んでいます。金属を使用する製品は、自動車、電子機器、電化製品と膨大に存在し、世界中で流通することで、私たちの生活を支えています。情報開示のいかんにかかわらず、これらの製品原料である鉱石の調達が紛争を長引かせ、人権侵害を助長することはあってはなりません。
当社は「DOWAグループ責任ある鉱物調達方針」を定め、紛争地域および高リスク地域における人権侵害などのリスクや不正に関わる組織の資金源となるおそれのある鉱物を原料として使用しないこととしています。タンタル・タングステン・金・銀・すず・亜鉛を含む鉱物原料のすべての購入先について、デュー・ディリジェンス(以下、DD。リスク評価を指す)を実施し、特定したリスクに対しては適切な対応を行っています。DDの実施に際しては、「OECD紛争地域および高リスク地域からの鉱物の責任あるサプライチェーンのためのデュー・ディリジェンスガイダンス」に従って取り組みを進めています。
また、当社グループは、日本国内に複数の製錬所を有しており、金や銀をはじめとする多種類の金属を生産しています。これらの製錬所では、当社の金属をあらゆるお客様に安心してご利用いただくために、責任ある鉱物管理の体制および実施状況に関して定期的に第三者機関による監査を受けています。
私たちは、サプライチェーンの上流に位置する製錬事業者が果たすべき役割として、紛争や人権侵害に関連しない金属の供給体制を構築することで、責任ある鉱物調達に努めています。
当社は「LBMA Responsible Silver Guidance」ならびに「Joint Due Diligence Standard for Copper, Lead, Molybdenum, Nickel and Zinc」に基づき、責任ある鉱物調達に関する独立した第三者評価を受けております。
- Compliance Report (Silver) (8,888KB)
- Independent Assurance Report (Silver) (1,963KB)
- Public Due Diligence Report (Zinc) (131KB)
- Snデューデリジェンス報告書 (Sn) (281KB)
B to Bビジネスを主とする当社グループにとって、サプライチェーンの途絶は納入先であるお客様の生産・販売へ与える影響が大きいため、主要なお取引先にはCSR調達を通じて災害発生時の速やかな事業復旧・継続に関するBCPの策定状況を確認しています。
当社グループでは、CSR調達ガイドラインにてお取引先に環境保全の要請し、サプライチェーン全体を通じた環境負荷の削減へ取り組んでいます。お取引先においても環境マネジメント体制の構築をお願いすることで、自然保護や環境負荷低減等の環境活動の取り組みを推奨しています。
DOWAグループでは、CSR調達方針、CSR調達ガイドラインの示す精神を調達活動に反映するため、毎年1~2回程度、グループ内の購買担当者会議において、CSR調達に関する勉強会を開催しています。サプライチェーン上のサステナビリティリスクについて情報を共有し、マネジメントの重要性などについて学ぶことで、意識の向上を図っています。
サプライチェーンマネジメントについては、原料調達はもとより開発・生産・販売・サービスに至る一連の事業プロセスに関わるサプライチェーン全体で取り組むことが社会的に求められており、当社グループも、当社のお取引先からCSR調達関連の要請を受けます。これら要請に対して、迅速に、かつ適切に対応するため、HD、事業会社や事業子会社の営業、製造、調達、人事、総務、サステナビリティ等の部門間で連携し、対応します。
グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパンの「サプライチェーン分科会」のメンバーとして、2017年より参加しており、UNGCの掲げる4分野10原則精神をサプライチェーンに反映するため、参加企業各社と共にCSR調達の啓発ツールやCSR調達担当者の実践ツール制作をしております。