2022年10月、当社は人材育成方針を策定し、社内外に公表しました。社員教育、研修計画は、本方針をベースに立案を進めており、各種研修などを通じて周知・浸透を図ります。
私たちDOWAグループでは、社員一人ひとりが自発的に研鑽を積むことを促します。
そのために、役職や年齢・性別・勤務地などに関わらず、意欲がある者には学ぶ機会を公平に提供します。
人材育成においては、一人ひとりの短所を正すのではなく、長所を伸ばすことを基本とします。
日本は少子高齢化が進行しており、総務省の労働力調査によると日本の2021年労働人口は5,931万人で2011年と比較し、80万人減少しています。また、近年の出生率低下もあり、今後の労働力は加速度的に減少していく見通しです。この労働人口の減少幅は都市部より当社が多くの拠点を構える地方の方が大きいため、その影響はより深刻であると認識しています。従って、当社にとって労働力確保は喫緊の課題です。まずは、採用活動において採用対象の拡大を図り、各拠点への採用支援やノウハウの共有などにグループ全体で取り組んでいきます。また、当社では、若手社員に対する定期的な面談を継続して実施しており、仕事への動機づけや上司部下間のコミュニケーション向上に努めています。職場全体での計画的な育成を通じて新入社員の着実な成長を促進するほか、全社員を対象としたサーベイを導入し社員のエンゲージメントを高める施策を推進します。
主な施策 |
指標 |
目標 |
離職率の低減 |
新卒入社3年後の定着率(HD籍) |
100%の維持 |
社員充実度サーベイの実施 |
サーベイの定着化 |
2022年度は、事業発展の礎である人材確保の一環として、グループ各社における採用力の強化に努めました。労務担当者の会議において、計画的採用の考え方や採用計画の立て方、グループ間での採用対応の好事例や実際の採用ノウハウを共有し、各社で計画的な採用を行う体制づくりを進めました。離職率の低減に向けては、入社後のミスマッチを防止するため、入社希望者に仕事内容や職場環境、社風など幅広い情報を具体的に伝えることで、納得して入社してもらえるよう採用面談を強化しました。入社後には、配属前面談・2年目面談を実施して、定着率の向上を図っています。さらに、社員の意見のくみ上げを目的として、2022年度より「社員充実度サーベイ」を開始しました。
DOWAグループでは「仕事を進める能力で評価する」という理念に基づき、以下の方針のもと、公正な評価・処遇に取り組んでいます。
- 考課者・被考課者が、制度の仕組みや基準の理解を深め、適切な考課や育成に活用する。
- 組織目標を共有し、自らの等級に求められる能力や行動を把握しながら、業務遂行能力の向上を図る。
考課者・被考課者に対する訓練をグループ全体での取り組みと位置付け、継続的な訓練の機会を設け、適切な評価・処遇・育成に努めています。
当社グループの主要な製造拠点は、社宅・独身寮を保有しており、社宅や独身寮がない地域においては、会社が借り上げた住まいを従業員に提供しています。近年は保有する社宅や独身寮の老朽化が進んできたことから、住環境の整備による快適性の確保や社員間交流の活性化を図るため、順次、建て替えなどを行っています。
当社はこれまで組織全体のレベルを底上げするために階層別教育を推進してきました。今後は、成長し続ける組織の実現に向けて、自ら進んで学び、変革を起こせる人材の育成に注力していきます。外部環境変化が激しく正解を見出しづらい時代においては、社員一人ひとりが自己の能力を最大限発揮できる組織とすることが組織力強化につながります。一方で、新人・若手教育においては階層別教育は非常に重要であるため、継続して取り組みます。より「個人」にフォーカスし、「個人」のスペシャリティを高める教育への移行を企図しています。また、学びたいときに学べるプラットフォームも整備し、主体的な社員の学びをいつでも支援する仕組みを構築していきます。
主な施策 |
指標 |
目標 |
人材育成方針の公開 (方針策定および、WEBサイトや社内ポータルサイトを通じた浸透) |
人材育成方針の作成および内部・外部公開 |
方針の公表・浸透 |
グローバル人材育成 (海外で必要な基礎知識を赴任前~1年間で学習する仕組みの構築) |
海外赴任前教育に加え、赴任後教育の拡充 |
継続実施 |
当社グループでは、新入社員から管理職まで職位区分に応じて行う階層別教育と、各階層の次世代リーダー育成のための選抜型教育の教育制度を設けています。2022年度は、社内教育体制の刷新を行い、これまでの集合研修中心の教育から選択型教育にシフトし、意欲がある者に学ぶ機会を公平に提供できる体制づくりを進めました。具体的には、オンライン研修を自由に受けられる環境を整備し、運用を開始しました。今後は、日程や時間帯、地域などに縛られずに受講できるオンライン研修のメリットを活かしながら、受講の義務化等によって学習の習慣づけを図り、自ら学ぶ風土づくりを目指します。
- 現場の最前線で働く社員を対象とした研修プログラムを充実させます。
- 学びたいという意欲さえあれば、日程や時間帯や地域など縛られずに受講できる、充実したオンライン研修プログラムを用意します。
- 個人の能力にとどまらず一人ひとりの力を結集させるために、メンバーの長所を活かしてチーム力を高める組織運営プログラムを導入します。
DOWAホールディングスでは毎年、約50人の新入社員を採用しています。入社後、社員が最初に受ける教育が新入社員研修であり、当社を支える人材育成の基礎となる重要な研修プログラムです。新入社員研修では「自律型人材」の育成に向け、「入社後3年間で一人前に育てる」ことを基本方針としています。当社は、職種や事業ごとの区分のない採用を行っており、入社後のキャリアも様々なため、基盤づくりに必要と考える「3年間」を新入社員の集中育成期間として設定しています。また、育成期間後の将来のキャリア形成も見据え、様々なプログラムを編成した集合研修とOJT(On-The-Job Training)を組み合わせた人材育成の仕組みを体系的に整えています。
2023年3月に当社研修センターのフルリニューアルを行いました。実施に際しては、経年劣化に伴う機能回復だけでなく、居室でのオンライン研修受講を想定した施設への改善や、社員の交流促進機能も強化しました。リニューアル後は、国の新型コロナウイルス感染症の基本的対策の緩和も受けて、約4年ぶりとなる対面での研修を再開しています。