人材育成方針

当社は、2022年10月に人材育成方針を策定し、社内外に公表しています。社員教育、研修計画は、本方針をベースに立案を進め、各種研修などを通じて周知・浸透を図っています。

 

  • 私たちDOWAグループでは、社員一人ひとりが自発的に研鑽を積むことを促します。
  • そのために、役職や年齢・性別・勤務地などに関わらず、意欲がある者には学ぶ機会を公平に提供します。
  • 人材育成においては、一人ひとりの短所を正すのではなく、長所を伸ばすことを基本とします。

人材確保と中核人材の育成

日本は少子高齢化の進行や出生率の低下により、今後、労働人口が加速度的に減少すると予測されています。特に、当社が多くの拠点を置く地方では、都市部よりも労働人口の減少が大きく、その影響は深刻です。そのため、人材の確保は当社グループにとって、急務の課題となっています。まずは、採用活動において採用対象の拡大を図り、各拠点への採用支援やノウハウの共有などにグループ全体で取り組んでいきます。また、当社では、若手社員に対する定期的な面談を継続して実施しており、仕事への動機づけや上司部下間のコミュニケーション向上に努めています。職場全体での計画的な育成を通じて新入社員の着実な成長を促進するほか、全社員を対象としたサーベイを導入し社員のエンゲージメントを高める施策を推進します。

主な施策

指標

目標

離職率の低減

新卒入社3年後の定着率(HD籍)

100%の維持

社員充実度サーベイの実施

サーベイの定着化

離職率の低減

事業発展の礎である人材確保の一環として、グループ各社における採用力の強化に努めています。労務担当者会議において、計画的採用の考え方や採用計画の立て方、グループ間での採用対応の好事例や実際の採用ノウハウを共有し、各社で計画的な採用を行う体制づくりを進めています。

新卒入社3年後の定着率(HD籍)

2023年度の定着率は93.9%となり、前年度からは改善したものの目標の100%には届きませんでした。離職の要因の一つには、入社後の配属先・業務内容・働く環境と本人の希望とのミスマッチがあります。ミスマッチの防止に向けては、入社希望者に仕事内容や職場環境、社風など幅広い情報を具体的に伝えることで、納得して入社してもらえるよう採用面談を強化しています。また、入社後に、配属前面談・2年目面談を実施し、定着率の向上を図っています。

社員充実度サーベイの実施

従業員の意見を集約する目的で、2022年度から「社員充実度サーベイ」を実施しています。2023年度の調査は、2024年の2月から3月にかけてインターネットを通じて回答を収集する方法で行われ、94%の高い回答率を達成しました。
回答内容によると、人事評価に関する項目に対する満足度は高かった一方で、キャリア形成に関する項目では比較的満足度が低いという結果が出ました。この結果を受けて、今後は階層別研修におけるキャリア教育プログラムの導入を含め、様々な対策を検討していく予定です。

公正な評価・処遇

DOWAグループでは「仕事を進める能力で評価する」という理念に基づき、以下の方針のもと、公正な評価・処遇に取り組んでいます。考課者・被考課者に対する訓練をグループ全体での取り組みと位置付け、継続的な訓練の機会を設け、適切な評価・処遇・育成に努めています。

 

  • 考課者・被考課者が、制度の仕組みや基準の理解を深め、適切な考課や育成に活用する。
  • 組織目標を共有し、自らの等級に求められる能力や行動を把握しながら、業務遂行能力の向上を図る。

 

従業員に対する中長期的なインセンティブ

当社では、従業員に対する中長期インセンティブとして従業員持株会制度を採用しています。当社の従業員持株会制度は、従業員(グループ会社含む)が持株会へ任意で加入し、会員の毎月の給与や賞与からの拠出金と会社からの奨励金を原資として自社株を共同購入し、会員の拠出金額に応じて持分を配分する制度です。当社国内グループ会社に在籍するすべての無期雇用社員を対象とし、中長期的な財産形成に資する目的で、福利厚生制度の一環として運営されている制度になります。

社宅・独身寮の整備

当社グループの主要な製造拠点は、社宅・独身寮を保有しており、社宅や独身寮がない地域においては、会社が借り上げた住まいを従業員に提供しています。近年は保有する社宅や独身寮の老朽化が進んできたことから、住環境の整備による快適性の確保や社員間交流の活性化を図るため、順次、建て替えなどを行っています。

採用情報の詳細は、こちらよりご確認ください。

変革を実現する人材の育成と組織づくり

当社グループは、成長し続ける組織の実現に向けて、自ら進んで学び、変革を起こせる人材の育成に注力しています。外部環境変化が激しく正解を見出しづらい時代においては、社員一人ひとりが自己の能力を最大限発揮できる組織づくりが重要です。新人・若手について、階層別教育を継続しておこなうとともに、個々の専門性を高める教育へとシフトしていきます。また、学びたいときにアクセスできるプラットフォームを整備し、社員の自主的な学習を全面的に支援する体制を築いていきます。

主な施策

指標

目標

人材育成方針の公開

(方針策定および、WEBサイトや社内ポータルサイトを通じた浸透)

人材育成方針の作成および内部・外部公開

方針の公表・浸透

グローバル人材育成

(海外で必要な基礎知識を赴任前~1年間で学習する仕組みの構築)

海外赴任前教育に加え、赴任後教育の拡充

継続実施

社内教育体制の刷新

新入社員から管理職まで職位区分に応じて行う階層別教育と、各階層の次世代リーダー育成のための選抜型教育の教育制度を設けています。また、2022年度に社内教育体制を刷新し、これまでの集合研修中心の教育から選択型教育にシフトし、意欲がある者に学ぶ機会を公平に提供できる体制づくりを行いました。具体的には、オンライン研修を自由に受けられる環境を整備し、運用を開始しました。今後は、日程や時間帯、地域などに縛られずに受講できるオンライン研修のメリットを活かしながら、受講の義務化等によって学習の習慣づけを図り、自ら学ぶ風土づくりを目指します。

人材育成の環境整備に向けた取り組み方針

  • 現場の最前線で働く社員を対象とした研修プログラムを充実させます。
  • 学びたいという意欲さえあれば、日程や時間帯や地域など縛られずに受講できる、充実したオンライン研修プログラムを用意します。
  • 個人の能力にとどまらず一人ひとりの力を結集させるために、メンバーの長所を活かしてチーム力を高める組織運営プログラムを導入します。

新入社員研修

DOWAホールディングスでは毎年、約50~60人の新入社員を採用しています。入社後、社員が最初に受ける教育が新入社員研修であり、当社を支える人材育成の基礎となる重要な研修プログラムです。新入社員研修では「自律型人材」の育成に向け、「入社後3年間で一人前に育てる」ことを基本方針としています。当社は、職種や事業ごとの区分のない採用を行っており、入社後のキャリアも様々なため、基盤づくりに必要と考える「3年間」を新入社員の集中育成期間として設定しています。また、育成期間後の将来のキャリア形成も見据え、様々なプログラムを編成した集合研修とOJT(On-The-Job Training)を組み合わせた人材育成の仕組みを体系的に整えています。

研修センターのフルリニューアル

2023年3月に当社研修センターのフルリニューアルを行いました。実施に際しては、経年劣化に伴う機能回復だけでなく、居室でのオンライン研修受講を想定した施設への改善や、社員の交流促進機能も強化しました。リニューアル後は、国の新型コロナウイルス感染症の基本的対策の緩和も受けて、約4年ぶりとなる対面での研修を再開しています。