基本的な考え方

当社は「品質」を経営の中核に据え、ISO9001などの品質マネジメントシステム認証を取得した主要製造工場で、製品およびサービスの品質向上に取り組んでいます。また、調達品の品質確保にも注力し、サプライヤーと協力して定期的な調査と監査を通じて原料や副資材の品質を保証しています。管理システムの整備や事業所間の情報共有を活用した品質分析・評価を実施し、製品およびサービスの改良・改善や開発に努めています。

推進体制

当社グループは社長をトップとする品質保証体制を構築し、HD品質保証部を中心としたグループ全体での品質リスクマネジメント体制のさらなる強化を進めています。また、これらの品質に関する中長期的なリスクマネジメント課題や施策の進捗状況に関してはサステナビリティ委員会でグループ横断的な議論を行っております。特に重要なリスク・機会等については、サステナビリティ推進会議に報告し、審議されています。

品質保証責任者会議、品質保証地区会議

当社グループの製品・サービスの品質保証については各製造拠点の品質保証部門が担っています。しかしながら、拠点ごとに品質保証部門は一つしかないため情報共有が難しい状況にあります。そのため、グループ全体で品質保証に関する課題や取り組み方を議論するため「品質保証責任者会議」と「品質保証地区会議」を実施しています。

「品質保証責任者会議」は、HD品質保証部と各事業会社および各事業サポート会社の品質保証責任者で構成されており、2023年度は4回開催し品質保証に関わる仕組みの構築や課題の共有などを行いました。「品質保証地区会議」は、各拠点の品質保証部門の担当者がグループ横断的に情報交換を行い、人材の交流を促進する場としています。2023年度は、秋田地区、関東地区、中京地区、岡山地区で開催しました。

これらの仕組みにより、各製造拠点が抱える課題の発掘や課題対応の支援を推進しています。

 

目標と実績

当社グループの主要な製造工場においては、品質マネジメントシステムの国際規格ISO9001の認証を取得し、PDCAに基づいた継続的な運用を行っています。「中期計画2024」では、最終年度である2024年度までに、グループ内の製造事業所の80%がISO9001/OHSASに準拠したマネジメントシステムを構築・運用している状態を目指します。

主な施策

指標

目標

ISO9001/OHSASに準拠した「仕組み」の構築

製品を持つ事業所の準拠率

80%

(2024年度)

品質保証教育の確立

教育受講者数

累計350名

(2022~2024年度)

取り組み

模範監査の実施

内部監査員のスキル向上と内部監査の体制強化を目的として、(株)日本能率協会コンサルティング(JMAC)による模範監査をセム( 愛知県名古屋市)にて実施しました。監査後のフィードバックとして、「内部監査のマンネリ化を感じていた中で、新たな視点からの監査は有益だった」「模範監査での指摘を否定的に捉えるのではなく、改善の機会として捉えたい」との意見が寄せられました。今回の模範監査で用いられた監査項目をグループ内で共有し、今後の内部監査への活用を図っていきます。

品質保証教育

品質保証教育については、HD品質保証部を中心としてガバナンスやコンプライアンスを含む全社教育システムの構築しています。品質保証責任者に対する事業横断的な品質教育や、新入社員に対する品質コンプライアンス教育を実施しています。

2023年度に新入社員を対象に品質保証の基礎教育を実施しました。さらに、品質保証関連部署の責任者からリーダークラスまでの社員に対して、品質マネジメント、品質コンプライアンス、ガバナンスを中心とした専門家による研修を年間4回実施しました。

品質保証成果発表会

優れた品質保証活動を表彰する「第2回品質保証成果発表会」を前年度に引き続き、開催しました。この発表会では、日常のベストプラクティスや関わるメンバーの紹介、各部門の課題が共有されました。
今回は、各事業会社およびサポート会社から選ばれた14件のベストプラクティス賞が発表され、本社とグループの各拠点をWEB会議でつなぎ、100名以上が参加しました。

分析DXの推進

分析作業のミスを防ぎ、作業効率を向上させるため、分析プロセスのデジタル化に取り組んでいます。初期段階として、分析機器データのデジタル出力化と手書き・手入力・手計算の撲滅に取り組んでいます。今後は分析依頼から結果報告に至るまでのプロセス全体のデジタル化を推進します。昨今の品質問題の多くが検査データの改ざんや捏造に起因していることから、これらの不正行為の「機会をなくす」ためにも、グループ内の関連部署と協力し、分析業務のDXを積極的に進めていきます。