DOWAグループは、事業活動が環境に及ぼす影響を認識し、本業を通じた資源循環型社会の構築への貢献と、自社事業における環境汚染防止などの環境負荷の低減を経営における重要な課題と位置付け、環境基本方針の下、グループ全体で取り組みを継続的に進めています。また、汚染物質の削減および廃棄物の適正処理を通じて、自然環境の保全に努めます。
環境管理活動は、当社のリスクマネジメント体制であるⅣ線ディフェンス体制に基づき、HD環境・安全部と環境保全活動を行う事業会社、事業子会社が連携して推進しています。
また、グループ全体のサステナビリティに関する重要課題の議論を行うサステナビリティ委員会において、環境保全に関するグループ横断的な議論を行っています。加えて、サステナビリティ委員会で重要と採択された事項は、サステナビリティ委員会の上位にあるサステナビリティ推進会議に報告され、重要な事項は取締役会に報告されています。
主な施策 |
指標 |
目標 |
環境管理システムの確立 (ISO14001/EA21に準拠した「仕組み」の維持・拡充) |
EHS-MSの運用事業所率 (ISOに準拠) |
100% (2024年度末) |
リスクマネジメントの向上 (環境事故リスクの最小化・対応力の強化) |
環境事故発生数 |
0件 |
「中期計画2024」では、最終年度である2024年度までに、主要事業所のすべてでISO14001/EA21に準拠したマネジメントシステムを構築することを目標としています。
2023年度のISOに準拠したEHS-MS(環境・安全衛生マネジメントシステム)の運用事業所率は80%となりました。また、運輸事業において、トラック運送における環境保全推進のためのグリーン経営認証を取得しており、環境マネジメントシステムのPDCAサイクルによって継続的な環境改善に結びつくように活動を推進しています。また、環境マネジメントの適切な実施のために定期的な内部環境監査・外部監査の実施と、監査員育成講習を通じた内部監査員の育成に取り組んでいます。
当社グループでは、事業のライフサイクルの各段階で必要な資源やエネルギーの投入(INPUT)と、その活動から発生するCO2や廃棄物(OUTPUT)の収支を定量的に把握して、マテリアルバランスを考えながら事業活動を進めています。
DOWAグループの大気および水質の負荷量は、環境・リサイクル部門で受け入れる廃棄物の組成によって大きな影響を受けています。各事業所においては、管理体制の強化や国の規制より厳しい自主基準値を定めるなどして、負荷の低減に取り組んでいます。
秋田製錬は経済産業省による2021年度緑化優良工場等表彰(通称:全国みどりの工場大賞)において、「東北経済産業局長表彰」を受賞しました。秋田製錬は1971年に設立され、国内最大となる年間20万t以上の亜鉛地金を生産しています。また、廃棄物がほとんど発生しない、環境負荷の低い製錬所です。建設に際しては「緑の中の製錬所」と位置づけ、敷地境界沿いに松林を残すなどの工夫を行いました。また、2005年にISO14001を取得し、周囲の松林との景観の調和や海岸地域の緑化にも取り組んでいます。
埼玉県本庄市のDOWAハイテックでは、植物群や水生物、昆虫、微生物などの生息場所を人工的に作り出し、自然の浄化能力を適用して水質浄化を行う環境に優しい排水処理施設を設置しています。この排水浄化施設は、植栽された植物が四季折々の花を咲かせ、彩画絵の具のパレットのようになってほしいという思いを込めて、「ビオパレット(ビオ(生物の意味のBio)+パレット)」と名付けています。排水がビオパレットを通過することにより、水の汚染指標であるBOD濃度は10〜20㎎/Lから3㎎/L未満に低下し、有機汚染物質が大幅に除去されます。また、このビオパレットには、トンボやメダカなど様々な水辺の生き物のほか、植物の葉や花にも昆虫が集まり、様々な生物を育む場所にもなっています。これまで埼玉県知事や小学生など、大勢の方々が見学され、生物を用いた浄化技術への関心の高さを実感しています。