水資源の利用に関する基本的な考え方

DOWAグループでは、毎年、国内外の生産拠点での水使用量に加え、取水源と排水先の状況の把握を行っています。各事業所では節水に取り組むほか、設備改善やプロセス内での循環利用を推進して取水量を削減し、グループ全体で水資源の有効利用に努めています。

水資源の利用

当社グループの水資源の用途は製錬部門で使用する冷却水が最も多く、これには海水を利用しています。冷却水は工程での使用後に水質を確認し、蒸発分を除きすべて元の海域に戻されます。また、各事業所では排水管理を確実に行い、排水規制の遵守だけでなく、厳しい自主基準を設けるなど水質の保全に取り組んでいます。

水管理を含む環境関連計画の策定状況

当社グループの主要生産拠点の約75%に上る52事業所がISO14001、もしくはエコアクション21を取得し、環境マネジメントシステム(EMS)体制を構築して環境管理を行っています。水質汚濁防止法等環境関連法令に則り、水管理を含む環境関連の計画を策定しています。取排水量、リサイクル量を把握し、水資源の適正管理や環境負荷の低減に取り組んでいます。

水資源の利用に関する取り組み

取水量削減への取り組みと削減量(2023年度)

当社グループでは、グループ全体で生産プロセス内で使用をした水の循環利用や雨水の活用、節水の徹底をすることで取水量の削減に向けた取り組みをしています。

(単位:m3

取り組み

年間削減量

設備導入などによるプロセス効率化による削減

9,385

生産工程での水のカスケード利用や再生利用による削減

51,312

環境対策における雨水の利用による削減

11

休廃止鉱山および鉱さいダムの管理

鉱山は、生態系や水などの自然環境や地域社会に大きな影響を及ぼし得ることから、閉山後も維持管理を行い鉱害防止に努めることは事業者の責務です。
休廃止鉱山(現在は休止または閉山している鉱山)では酸性水や重金属を含む坑内水が坑口から流出し、水質悪化や農用地の汚染を引き起こすおそれがあります。DOWAグループでは現在、20か所以上の休廃止鉱山と30か所以上の鉱さいダムを運営・管理し、健全な水循環と持続可能な水利用環境の維持に取り組んでいます。管理にあたっては鉱山諸法・制度よりも厳格な自主管理基準を定め、坑道や鉱さいダムなどから発生する坑水および廃水を24時間365日監視し、その性状に応じて適切な処理を行っています。

水資源の管理

休廃止鉱山では、酸性水や重金属を含む坑内水が坑口から流出し、水質悪化や農用地の汚染を引き起こすおそれがあります。現在、当社が保有する休廃止鉱山と鉱さいダムにおいては、鉱山諸法・制度よりも厳格な自主管理基準を定め、健全な水循環と持続可能な水利用環境の維持に取り組んでいます。

休廃止鉱山、鉱さいダムの安定性維持

坑排水処理場や鉱さいダムの施設は、公的機関である各地の産業保安監督部によって不定期に検査が行われます。当社が運営および管理するすべての休廃止鉱山および鉱さいダムは、鉱山諸法・制度よりも厳格な自主管理基準を用いた排水処理などの管理を実施しています。また、操業が停止した休廃止鉱山および鉱さいダムについては覆土および公害防止工事の実施や植生による緑化などのリハビリテーションを完了し、安定した状態を維持しています。当社は使用中の鉱さいダムを含めて箇所別の点検項目と頻度を定め、有資格者が閉塞済みの坑口や鉱さいダムの法面や暗渠(あんきょ)などを巡回点検することにより、劣化箇所の早期発見と修復を行い、安定的な状態を維持できるよう努めています。