2021年10月20日
DOWAホールディングス株式会社
(コード番号:5714 東証1部)
当社(東京都千代田区外神田四丁目14番1号 資本金:364億円 社長:関口 明)子会社のDOWA メタルテック(株)(同所 資本金:10億円 社長:鬼王 孝志)は、中村製作所(株)(本社:長野県上伊那郡箕輪町三日町493番1号 資本金:7,500万円 社長:宮原 友保)と共同で、軽量かつ高い冷却性能と低い圧力損失を有するパワーモジュール向け微細形状フィン付きヒートシンク一体型アルミ回路基板を開発しました。
省エネ用途で注目されているパワーモジュールは、従来、回路基板とヒートシンクベース、冷却器をはんだやグリースで接合あるいは密着させて製品化していました。しかしながら、近年はパワー素子の高集積化や小型化による高放熱性への要求が高まっており、熱伝導率の低いはんだやグリースを用いない構造(以下、直冷構造)等の開発が進んでいます(図1)。
DOWAメタルテック(株)はこの直冷構造に向けて、独自のアルミ溶湯直接接合法を用いた、世界トップクラスの放熱性を有する円柱状ピンフィン付きヒートシンク一体化アルミ回路基板を開発、販売しています(図2)。さらに放熱性に優れた基板の開発には、フィンの緻密化、高熱伝導材料の使用、冷却水量増等が必要となります。しかしながら、これらは製法上の課題がある上に、耐久性・耐食性・冷却ポンプの能力・重量・設置面積・コスト等を総合的に考慮すると、一長一短がありました。
このような経緯を踏まえ、DOWAメタルテック(株)は、新たに微細形状フィン付きヒートシンク一体型アルミ回路基板(以下、本開発品)を開発しました(図3)。本開発品は、湾曲の有無や高さ・厚さ・間隔の調整により様々なフィン形状が選択できるため、環境問題への意識の高まりから注目されているEV・HEVなどの次世代自動車用途や新エネルギー用途、産業用途等、様々な分野への応用展開が期待されます。
DOWAメタルテック(株)は、独自の回路基板技術と中村製作所(株)のフィン加工技術を融合し、応用・発展させることにより、今後も変化するニーズに適した新製品の開発に取り組んでいきます。
≪微細形状フィン付きヒートシンク一体型アルミ回路基板の特徴≫ ・独自の直冷構造を維持したまま、微細な板状フィンをヒートシンクに形成(板状フィンは、中村製作所(株)独自の加工技術であるオーロラフィン工法によって形成) ・世界トップクラスの放熱性を有する円柱状ピンフィン付きヒートシンク一体化アルミ基板に対し、さらに約15%の熱抵抗の低減と約60%の圧力損失の低減を実現(図4、当社比) ・同サイズの銅を用いた直冷構造品と比較して、大幅な軽量化が可能 ・腐食耐性が高い高純度アルミの使用により、フィン部へのめっき処理が不要 ・シンプルな形状設計であり、製造工程を大幅に削減したDOWA独自の新製造プロセスの適用が可能で、総合的な低コスト化も見込める |
図1.パワーモジュールの構造の違い
図2.円柱状ピンフィン付きヒートシンク一体型アルミ回路基板
図3.微細形状フィン付きヒートシンク一体型アルミ回路基板
図4.65℃冷却水流入時における基板上実装済みパワー素子の温度変化及び圧力損失変化(当社比)
【DOWAメタルテック(株) 会社概要】
・本社:東京都千代田区外神田四丁目14番1号
・代表者:鬼王 孝志
・設立:2006年10月
・資本金:10億円
・株主:DOWAホールディングス(株) 100.0%
・事業内容:銅・黄銅・銅合金の条などの伸銅品、条めっき、回路基板、ニッケル合金条、電子部品、黄銅の棒や鍛造品の製造・販売
【中村製作所(株) 会社概要】
・所在地:長野県上伊那郡箕輪町三日町493番1号
・代表者:宮原 友保
・設立:1962年7月
・資本金:7,500万円
・事業内容:金属塑性加工、精密製品組立、省力化機械設計製作
- 微細形状フィン付きヒートシンク一体型アルミ回路基板を開発 (767KB)
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【製品・サービスに関するお問い合わせ先】
DOWAメタルテック株式会社 企画室
TEL: 03-6847-1252
中村製作所株式会社 営業課
TEL: 0265-79-3880